Fヘッドの歴史
ハーレーの最大の特徴の1つであり代名詞と言えるのがVツインエンジンです。
その馬力やバイクからの鼓動を感じることの出来るVツインエンジンの歴史は、ハーレー創業間もない1905年にまでさかのぼります。
当時の5-Dというモデルに搭載されたエンジンは、当時のアメリカでは他を圧倒する7馬力ものパワーがありましたが、欠陥が多く、改良を余儀なくされました。
その欠陥を解消する形で発表されたのがFヘッドと呼ばれるエンジンになります。
このFヘッドは、当時では珍しいベルトドライブ駆動を導入し、吸気カムなどが搭載された他では類のない斬新な物でした。
その上、1911年には排気量が1000㏄を誇るタイプのFヘッドエンジン7Eが発売されるなど革新的なものをどんどんと開発していき、アメリカで現在までに至るハーレーの地位を不動のものにしました。
これによりハーレーのオーナーは急増し、公道やレース場を走るバイクはハーレー一色と言っても過言ではないほどでした。
Fヘッドの特徴
ハーレーで初めて製造された車両のエンジンには、Fヘッドと呼ばれるものが使用されていました。
Fヘッドはエンジンの中でもサイドバブルを採用しているモデルのことを指している総称です。
吸入をする部分がOHVと呼ばれる形式になっていますが、排気に関してはSVが使われているということが大きな特徴です。
カムシャフトは存在しておらず、ピストンが下降していくときに発生する負圧によってバブルが開いていくという仕組みとなっています。
バルブスプリングは柔らかいもので構成されているということも特徴の一つです。
サイドバブルは、ハーレーの中で導入されているオーバーヘッド形式(OHV)のものよりも古典的なバブル駆動の仕組みをとっています。
バブルの部分が上の方向に向かって設置されており、直接カムが上の方向にめがけて押し上げられていくという独特なやり方です。
OHVはシンプルで昔ながらの方法となっていますが、それと比較してもさらにシンプルな構造になっています。